１、乾為天（けんいてん）初爻占断

周易６４卦３８４爻占断

１、乾為天（けんいてん）初爻

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◇ 乾とは何か？

乾（けん）は、「天」を象徴する卦です。陽の気で満ちあふれ、活動的で力強く、あらゆるものを生み出す根源の力を表しています。意味するところは「すこやか」「つよし」「かわく」など、清らかで剛健な性質。天は万物の上に位置し、自然の理（ことわり）をもってすべての存在に影響を与える存在です。

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◆ 卦全体が教えてくれること

乾卦全体は「天道の象徴」であり、「正しい努力を絶えず積み重ねること」が運命を開く鍵であることを教えています。この卦は、成長や発展のプロセスを六つの段階（六爻）で表し、それぞれが人生のステージや判断の時を象徴しています。君子（理想的な人物）は天のごとく、努めてやまず、自らの力を磨きつづけることが求められるのです。

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◆ 初爻の意味とアドバイス
【爻辞】潜龍（せんりゅう）用うるなかれ。
【読み下し】潜龍（せんりゅう）用うるなかれ。陽、下にあるなり。

初爻は、まだ才能や実力が十分に発揮されていない状態を表します。「潜龍」とは、地の底に潜んでいる龍のこと。大きな力を持ちながらも、それを表に出すにはまだ時期尚早であると示しています。

これは「力があるからといって、急いで前に出てはいけない」ときの戒めです。準備が整わないまま無理に動こうとすれば、かえって損をすることがあります。今はじっとして力を蓄え、自分を磨き続けるとき。焦らずに「機が熟す」のを待つことが重要です。

【仕事】
新しい企画を思いついても、すぐに提案するのは控えるべき時期です。職場での評価がまだ確立していない場合、自信が裏目に出ることもあります。今は周囲の動向を観察し、必要なスキルを静かに習得する時期ととらえるとよいでしょう。

【恋愛】
気になる相手がいても、まだ自分の魅力を伝える段階には至っていないようです。無理に距離を縮めようとせず、相手の気持ちや状況を見極めながら、自分を丁寧に整える時期。誠実さや礼儀が後に好印象となって返ってきます。

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◆ 乾卦（初爻）が教えてくれる生き方

乾卦の初爻が教えてくれるのは、「力があっても焦らず、時を待つ」ことの大切さです。人生には準備期間が必要で、すべての人に「潜龍」の時代があると言えます。目立たなくても腐らず、自分を鍛え続け、周囲の動きを見守ることができれば、やがて時が来て大きく羽ばたけるでしょう。急がず、でも止まらずに進み続ける姿勢が、未来の成功を導きます。