328、雷火豊(らいかほう)4爻占断

周易64卦384爻占断

周易64卦384爻占断

328、雷火豊(らいかほう)4爻

◇ 雷火豊とは何か?

雷火豊(らいかほう)は、震(雷)の勢いと離(火)の明るさが合わさり、物事が大きく動き、華やぎやすい卦です。人も情報も集まり、判断も積極的となり、成果が見えやすい。

けれど、豊かさは増すほど“熱”量も増えます。盛り上がりが強くなるほど、わずかな行き違いが拡大しやすく、勢いの扱いを誤ると災いに触れやすい――そこまで含めて「豊」です。

◆ 卦全体が教えてくれること

豊の時は、物事が変動しやすく、周囲からも注目されます。だからこそ大事なのは、盛り上がるほどに「油を注ぐ」よりも、分量と速度を適正にすることです。

手を広げ過ぎる、言い過ぎる、押し過ぎる――そういう“やり過ぎ”が、豊の勢いを崩す入口になります。盛大さの中で手綱を締めること。それが豊の学びです。

◆ 4爻の爻辞と象伝

【爻辞】

「その蔀(ほう)を豊(おおい)にす。日中(にっちゅう)斗(と)を見(み)る。その夷主(いしゅ)に遇(あ)う。吉(きち)。」

【象伝】

「その蔀(ほう)を豊(おお)いにするは、位(くらい)当(あた)らざるなり。日中(にっちゅう)斗(と)を見(み)るは、幽(くら)くして明(あきら)かならざるなり。その夷主(いしゅ)に遇(あ)う吉(きち)は、行けばなり。」

● 解釈

四爻は、豊の勢いの中にいながら、自分の立ち位置が定まりにくいところです。象伝がまず「位当らざるなり」と言うのは、まさにここで、

  • 自分の役割が当を得ていない
  • 判断の軸がぶれる
  • 何を優先すべきか見えにくい
    といった“噛み合いの悪さ”が起こりやすい、という意味です。

その結果として、爻辞は「蔀を豊いにす」と言います。蔀は“覆い”です。覆いが厚くなるほど、光が届きません。

そこで次に「日中に斗を見る」と続きます。真昼なのに星(北斗)が見えるほど暗い――これは、実際に暗いというより、判断が暗くなっている、つまり

  • 事情が見えない
  • 相手の意図が読めない
  • 自分の見込みにも自信が持てない
  • そのため損失や故障が増える

そういう状態を、強い比喩で表しています。象伝の「幽くして明らかならざるなり」も、同じく“心の目が曇る”ことを言っています。

では、どうすれば吉に転じるのか。そこで出てくるのが「夷主」です。夷は“等夷”の夷で、同列・同輩、つまり自分と近い位置の協力者や仲間を指します。

四爻は、その同輩や後輩の存在を“鍵”として示します。

ただし、ここがいちばん大切です。

象伝は「夷主に遇う吉は、行けばなり」と言い切ります。これは、

  • 相手から来てくれるのを待つのではない
  • 流れが自然に良くなるのを待つのでもない
  • 自分から動いて会いに行き、助けを借り、相談に行く

そうして初めて吉が成立する、という意味です。

なぜ「行けば」なのか。四爻は陽で、意地や体裁が立ちやすく、独断や見栄が“蔀”になりやすいからです。

「暗い」のは、環境のせいだけではなく、自分の頑固さが覆いを厚くしている面がある。だから、こちらから一歩降りて、同輩や後輩に話を聞き、視界を開く。これが四爻の正しい動きです。

まとめると、この爻はこういう構図です。

  • 今は見通しが悪く、損失や故障が出やすい(蔀が厚い/日中に斗を見る)
  • しかし同輩、後輩の助けを得られれば、暗さは打開できる(夷主に遇う)
  • 吉は待って得るのではなく、自分が動いて協力を求めることによって作り出す(行けばなり)

◆ 含まれる教え

  • 失敗や故障が多い時は、判断が曇りやすい。
  • 「暗さ」は外の事情だけでなく、自分の頑固さが作り出すこともある。
  • 同輩・仲間や後輩の助言が、覆いを外し、見通しを戻す。
  • 吉は“待つ”のではなく、“自分から動いて協力を求める”ことで成立する。

◆ 仕事

仕事では、方針の錯誤や、見込み違いが起こりやすい局面です。動いているのに手応えが薄い、周囲の反応が読めない、疑いを向けられる――そんな「日中に斗を見る」感覚が出やすいでしょう。

この爻の最善策は、体裁で押し切ることではなく、同僚・現場・身近な人の意見を取りに行くことです。

  • 計画を一度棚卸しして、前提のズレを点検する
  • 役割分担・責任範囲・期限を明確にする
  • 独断をやめ、他の目で見てもらう

交渉も長引かせるほど暗さが増えます。条件整理と着地点の確認を“こちらから”取りに行くのが吉です。

◆ 恋愛

恋愛では、相手の真意が見えにくく、誤解が生じやすい時です。表面の言葉や態度だけで判断すると、疑いが育ちやすい。これが四爻の「幽くして明らかならず」です。

ここでの「夷主」は、二つの意味で使えます。

  • ひとつは、恋愛そのものにおける“対等な話し合い”の相手としての当人
  • もうひとつは、自分の視界を戻してくれる信頼できる同輩や年下の友人(相談相手)

いずれにせよ鍵は「行けばなり」です。

  • ため込み過ぎず、早めに確かめる
  • 推測で決めつけず、短い言葉でも確認する
  • “勝ち負け”より、誤解を解く方向へ動く

この姿勢が、蔀を薄くし、疑いをほどきます。

◆ 雷火豊・4爻が教えてくれる生き方

盛んさの中には、見えない暗さが混じります。四爻はそれを「蔀を豊いにす」「日中に斗を見る」と表しました。

けれど、暗さがあるから凶なのではありません。自らの暗さに気づき、同輩の力を借りに“自分から動く”なら、吉に変えられる。

「夷主に遇う吉は、行けばなり」――この一句の通り、こだわりを捨て自分から動いて整える人が、豊の勢いを安全に成果へつなげていきます。

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