320、雷沢帰妹(らいたくきまい)2爻占断

周易64卦384爻占断

周易64卦384爻占断

320、雷沢帰妹(らいたくきまい)2爻

◇ 帰妹とは何か?

雷沢帰妹(らいたくきまい)は、「若い女性が嫁ぐ」という象を通して、立場・順序・分限をどう守るかを教える卦です。

ここでいう「妹」は兄弟姉妹の妹ではなく、若い女性一般を指しています。

雷の急な動きと、沢の受け止める性質が合わさるため、状況は変動しやすく、気持ちも不安定になりやすいのですが、その中で大切になるのは、自分が主となるべきか、支える側に回るべきかを誤らないことです。

帰妹の卦は、無理に表へ出て形を作るより、常を守り、筋を崩さない態度が、結果として身を保つことを示します。

◆ 卦全体が教えてくれること

帰妹が教えるのは、「勢いに任せて進めばよい時ではない」という判断です。

人との関係や役割が絡む場面では、たとえ力や能力があっても、分を越えて前に出ると歪みが生じやすい時期に当たります。

この卦では、控えめであることが弱さではなく、秩序を保つための知恵として評価されます。

自分の立場をわきまえ、順序を守ることで、余計な争いや不安定さを避ける道が開かれる、というのが全体の流れです。

◆ 二爻の爻辞と象伝

【爻辞】

「眇(すがめ)能(よ)く視(み)る。幽人(ゆうじん)の貞(てい)に利(よろ)し。」

【象伝】

「幽人(ゆうじん)の貞(てい)に利(よろ)しきは、いまだ常(つね)を変(へん)ぜざるなり。」

● 解釈

二爻は、帰妹の中でも特に慎みを重んじる位置にあります。

実際にはよく状況が見えていても「眇(すがめ)」(視界が完全ではないこと)であるかのように振る舞って周囲の協力を仰ぎ主役とならない用心が必要です。

これは、自分の立場や条件が万全ではないことを自覚しながら、無理に前へ出ず、分を守って行動する姿です。

派手に振る舞うことはできなくても、慎重に道理を見極めることで、誤りを避けられる、という読みになります。

「幽人の貞に利し」とは、表舞台で評価や成果を求めるより、静かに身を収め、私情や欲に引きずられず、常の道を守ることが利になるという教えです。

象伝が「いまだ常を変ぜざるなり」と述べているのも、この爻が、状況に流されて方針を変えず、本来守るべき筋を保っているからです。

この二爻は「中を得る」徳を備えていますが、同時に、立場としては主役ではありません。そのため、能力があっても、前に出すぎると周囲から疑念を持たれやすい面があります。

だからこそ、この爻では、進むよりも退いて守る姿勢が、結果的に身を助けると判断されます。

◆ 含まれる教え(箇条書き)

  • 条件が万全でない時は、前に出るより慎みを重んじるべき
  • 全てが見えていても知らない風を装うことで安定を保つことが必要
  • 信用や評価を得た時ほど、立場を越えない注意が必要
  • 欲や感情に流されず、「平常」を守る姿勢が安定につながる
  • 退く判断が、長く身を保つ知恵となることがある

◆ 仕事

仕事では、能力を認められ、頼られる場面が増えやすい時です。ただし、立場以上の役割を背負おうとすると、周囲の目が厳しくなり、誤解や摩擦を生みやすくなります。

この爻が示すのは、成果を誇るよりも、無理をせず、役割の範囲を守ることの大切さです。

新しい企画や利益の話に引かれやすい時でもありますが、欲に任せて動くと、後からやり直しや調整が必要になりやすいでしょう。

交渉や取引も、目先の得より、条件を整え、無難に収めることを優先する方が安全です。

◆ 恋愛

恋愛においては、気持ちを前面に出して関係を動かそうとするより、距離と順序を大切にする姿勢が求められます。

相手の関心を独占しようとしたり、関係を急いだりすると、不安や疑念が生じやすくなります。

この爻が示すのは、情に流されず、落ち着いて相手を見極めることです。

はっきりした答えを急ぐより、常を変えず、静かに向き合うことで、不要な波風を避けやすくなるでしょう。

◆ 雷沢帰妹・二爻が教える生き方

帰妹の二爻は、力や才があっても、それを押し出すより、分を守り、慎みを保つことの価値を教えます。

完全でない条件の中でも、道理を見失わず、常を変えずに身を処することで、疑いや乱れを避け、長く安定を得ることができます。

派手さはありませんが、静かに安定を保つ吉――それが、この爻の示す生き方です。

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