303、震為雷(しんいらい)3爻占断

周易64卦384爻占断

周易64卦384爻占断

303、震為雷(しんいらい)3爻

◇ 震とは何か?

震為雷(しんいらい)は、雷のように突然の出来事が起こり、人の心を大きく揺さぶる時を表す卦です。

震は、ただ驚きや混乱を意味するものではありません。思いがけない出来事に直面したとき、人が恐れを抱き、その恐れをきっかけとして身を慎み、行動や心構えを正していく――その一連の働きまでを含んでいます。

驚きは災いの入口であると同時に、身を守り、秩序へ立ち返るための合図でもあります。震の卦は、その「恐れへの対応」を教える卦です。

◆ 卦全体が教えてくれること

震の卦が教えるのは、事が急に動いたときの人のあり方です。

突然の変化や衝撃に遭ったとき、ただ怯えて立ちすくむのでも、勢いで押し切るのでもなく、恐れを戒めとして受け取り、自分の行動を整えることが大切だと説いています。

恐れを知り、慎みをもって対処すれば、やがて混乱は収まり、秩序と落ち着きが戻ってきます。

震は乱れの始まりであると同時に、立て直しの始まりでもあるのです。

◆ 三爻の爻辞と象伝

【爻辞】

「震蘇蘇(しん・そそ)たり。震(おそ)れて行(ゆ)けば、眚(わざわ)いなし。」

【象伝】

「震蘇蘇(しん・そそ)たるは、位(くらい)当(あ)らざるなり。」

● 解釈

三爻に示される「震蘇蘇たり」とは、雷の勢いが次第に弱まり、激しい衝撃は過ぎ去ったものの、なお不安や落ち着かなさが残っている状態を表します。

大きな出来事の直後で、心が定まりきらず、先へ進むにも退くにも迷いが生じている姿です。

続く「震れて行けば眚なし」における「震(おそ)れる」とは、単なる恐怖ではなく、恐れを自覚し、戒めとして慎重に行動することを意味します。

不安を軽く見ず、用心深く物事に当たるならば、大きな過ちや災いは免れやすい、という教えです。ただし、これは積極的に成果を押し広げる吉ではなく、慎重さによって損失を防ぐ吉意と見るべきでしょう。

象伝の「位当らざるなり」とは、この爻が陰の性質でありながら陽位に置かれているため、立場と力が噛み合っていないことを示しています。

そのため、進むべき場面で踏み出しきれず、退くべき場面でも未練が残り、心が揺れやすくなります。この不一致こそが、「蘇蘇たり」と表現される不安定さの原因です。

震の卦では、二爻から五爻にかけて全体として順調とは言い難い意味が重なりますが、三爻はその中でも「勢いが衰え、次の展開を待つ局面」に当たります。

無理に押し切るより、恐れを自覚し、行動を抑制することで過ちを避ける段階にあると読むのが適切です。

◆ 含まれる教え

  • 不安を感じる時は、それを無視せず、戒めとして受け取り、対策を講じることが大切
  • 勢いが衰えた局面では、前進よりも慎重さが災いを防ぐ
  • 立場と実力が噛み合わない時は、判断に迷いが生じやすいことを自覚するべき
  • 恐れを抱いたままでも、用心深く進む姿勢が安全につながる

◆ 仕事

仕事においては、判断や行動に迷いが生じやすく、足取りが定まりにくい時です。

やるべきことは見えているものの、どこか不安が残り、自信をもって踏み出せない状況になりやすいでしょう。

この爻が示すのは、勢いを取り戻そうとして強く出ることの危うさです。

立場や役割と、自分の心身の状態や力量が噛み合っていないため、前へ出ようとすると、かえって判断を誤りやすくなります。

成果を急ぐ決断や、周囲を押し切るような行動は控え、

状況を丁寧に見極め、慎重に手順を整えながら進めることが肝要です。

大きな前進は望みにくいものの、恐れを自覚し、用心深く動くことで、致命的な失敗や信用の損失は避けられると見ます。

◆ 恋愛

恋愛においては、気持ちが揺れやすく、関係の方向性が定まりにくい時です。

相手への想いがありながらも、不安や迷いが先に立ち、踏み込むことにも、引くことにも決め切れない状態になりやすいでしょう。

この爻は、不安を無視して前へ進むことを勧めていません。

気持ちが定まらないまま関係を押し進めると、後悔や行き違いを生じやすくなります。

むしろ、不安を感じている自分の心を正直に受け止め、立ち止まって関係を見直す姿勢が求められます。

今は無理に結論を出さず、慎重に距離を保つことで、後に大きな災いを避けることができると読みます。

◆ 震為雷・三爻が教える生き方

震為雷の三爻は、勢いが衰え、不安が残る局面において、恐れを否定せず、戒めとして受け止めることの大切さを教えています。

前へ押し切るよりも、慎重さによって災いを免れ、次の展開に備える――それがこの爻の示す生き方です。

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