周易64卦384爻占断
221、風火家人(ふうかかじん)5爻
◇ 家人とは何か?
風火家人(ふうかかじん)は、家庭・家政・秩序・役割の調和を象徴する卦であり、
家が整えば世も整うという「内から外へ広がる安定」を教えています。
上卦・巽(風)は従順と教育、
下卦・離(火)は礼・明徳・温かさ。
穏やかな風が家の内に火の明るさを運び、
それぞれが役割を守ることで、家庭が豊かに安らぐ姿を表します。
五爻は家人の中心である“家長”の位置にあたり、
家全体を統べる中枢としての意味が強くなります。
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◆ 卦全体が教えてくれること
家人の卦は、家庭の秩序・家政の運営・相互の礼など、
自分の周囲の秩序を正すことで幸福と富が集まることを示します。
五爻はその中心(君位)であり、
“家を治めて国家を治める” という王道の道を象徴する場所です。
ここでは、
- 家を統べる責任
- 家族・部下・周囲との調和
- 愛情と徳の働きによる安定
が非常に良い形であらわれます。
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◆ 五爻の爻辞と解釈
【爻辞】
「王 假(いた)りて家を有つ。恤(うれ)うる勿れ。吉。」
【象伝】
「王 假りて家を有つは、交々(こもごも)相愛するなり。」
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● 解釈
「家を有つ」は初爻にもありましたが、
五爻の「家を有つ」は 君位にある者が天下の家を治める という意味になります。
ここでの「假(いた)る」は “至る・届く” の意味で、
王の徳が家庭・一族・国家へ隅々まで行きわたり、
その結果として家が安らぐ、と説いています。
五爻は坎の互体の上に位置しています。
つまり坎の危機をすでに脱し、
天下(家・家族・組織)がようやく安定へ向かう吉の段階です。
象伝は二爻との応によって
「交々相愛する(互いに愛し助け合う)」
と説明します。
二爻は柔順中正で“内を守る女の徳”。
五爻は剛健中正で“家長の徳”。
両者が相応しているため、家の秩序・家政・生活は
深い信頼関係で保たれる とされます。
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◆ 含まれる教え
この爻が示すのは、
- 家長としての責任を果たせば家は安らぐ
- 周囲があなたの意図に応じて動く
- 相互の愛・信頼・助力が整う
- 不安を抱く必要はない
という極めて吉の象です。
「恤うる勿れ(心配するな)」とあるのは、
五爻の徳がすでに人々の心を動かし、
自然と協調が生まれているからです。
企図する事柄も成りやすく、
周囲が助けてくれるため、
願望が叶いやすい力強い爻 です。
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◆ 仕事
仕事においては、
- 周囲が動いてくれる
- 協力者・部下に恵まれる
- 事業・家業が発展する
- 利益・信用が増す
- 昇進や待遇改善の兆し
まさに最高級の吉運です。
ただし、五爻の徳(謙・信・公正)を忘れれば
運は逆に傾くことがあります。
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◆ 恋愛
恋愛・婚姻は 非常に良縁 を示します。
- 自然と話が進む
- 恋が成就する
- 相思相愛の関係
- 家庭を築く力が強い
縁談の場合も「大抵はまとまる」という最上級の吉。
また、
当人同士が先に恋愛し、後から縁談がついてくる
という特徴的な象もあります。
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◆ 風火家人(五爻)が教えてくれる生き方
五爻が与える人生のメッセージは、
「徳を以て人を動かす。愛で家を治める。」
というものです。
- おおらかに構えれば周囲は従う
- 心配せず、信じ、任せること
- 家長らしい節度と温かさをもつ
- 人々はあなたの徳に応じて動く
- 愛情と信頼が繁栄の基になる
家庭でも仕事でも、
“自分が中心であることの意味” を思い出し、
温かさと公平さで舵を取れば、
どんな計画も良い方向へ流れてゆくことを教えています。

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