周易64卦384爻占断
220、風火家人(ふうかかじん)4爻
◇ 家人とは何か?
風火家人(ふうかかじん)は「家庭秩序・家政・役割の調和」を示す卦で、
家庭内の礼と節度が家の繁栄を生むことを教えています。
上卦・巽(風)は従順・教化・柔らかい働き、
下卦・離(火)は明徳・礼・温かさ。
穏やかな風が家中に火の明るさを広げ、
家の秩序と繁栄が守られてゆく姿が描かれています。
四爻は外卦の巽に位置し、
“外から家政を助ける力” が強く働く段階です。
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◆ 卦全体が教えてくれること
家人とは、家庭がひとつの小さな社会として調和する道を説き、
- 内と外の役割分担
- 家政の運営
- 相互の節度
- 礼をもって助け合うこと
これらが家を豊かにする鍵であると示します。
四爻は「外から家を整える働き」が顕著になり、
財や実利を得る方向へ運気が開く場所です。
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◆ 四爻の爻辞と解釈
【爻辞】
「家を富ます。大吉。」
【象伝】
「家を富ます大吉は、順(つつし)みて位に在(あ)るなり。」
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● 解釈
六四は陰爻が陰位に正しく居り、柔順にして節度を備えています。
家人の卦においては「女性的な貞」の象を帯び、二爻と同じく家政を支える力ですが、
二爻が「内(家庭内部)」を預かるのに対し、四爻は巽の位にあって「外から助ける働き」を象徴します。
離火(厨房・礼・家事)の主である二爻に比べ、
四爻は巽風を得て利に敏く、経済・財務・交渉・家政の実務に長ける面を表します。
これが、同じ「女の貞」でありながら、
- 二爻は中饋(内側の整え)で吉
- 四爻は家を富ませて吉
という違いを生みます。
象伝は「順みて位に在る」と述べ、
四爻がその位置にふさわしく、外側から従順に家を支えるため、
富・物質的安定・助力がもたらされると説明します。
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◆ 含まれる教え
四爻が示すのは、
- 有能な助力者を得る
- 家政・財務が整う
- 協力関係がうまく働く
- 共同・補佐・協調によって富が生まれる
という大吉の象です。
ただし、二爻と四爻の双方に “女の象” があるため、
実生活では
「正妻以外の女性の存在」
という象として出る場合があります。
それが家政の手伝いである伯母・女親族・秘書など「健全な補佐」であれば良いですが、
恋愛的な意味を持つ場合には、
・家庭の調和は保たれている
・しかし扱いを誤れば問題が起こる
という繊細な含みを持ちます。
したがって、
利があっても節度を忘れてはならない
という大切な戒めも含まれています。
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◆ 仕事
仕事では、
- 有能な協力者が現れる
- 共同事業が吉
- 主導ではなく補佐に回る方が運が開く
- 名より質を取る選択が利益を生む
- 柔らかい交渉が成功をもたらす
という非常に良い流れです。
派手さより堅実、
独断より協調が吉。
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◆ 恋愛
婚姻・恋愛には 非常に良い 占です。
- 素直に話がまとまる
- 家庭を支える良縁
- 商家・家業を支える性質を持つ相手に特に吉
特に「一緒に生活を整える能力」を備えた相手を示すことが多く、
結婚運としては最上位の吉の一つ。
ただし、
既婚者・交際中の相手について占った場合は、
もう一人の女性の存在を暗示することもあるため、
節度と慎重さが必要です。
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◆ 風火家人(四爻)が教えてくれる生き方
四爻のメッセージは、
「助け合うことで家は豊かになる。
協調こそ富の基。」
というものです。
- 自分一人で背負わず、協力を得る
- 名より実を取り、堅実に進む
- 慎みをもって補佐役に徹する
- 外の働きが家を守る力となる
- 調和が富をもたらすことを理解する
家政・仕事・人間関係において、
「ほどよい柔らかさと実務的な力」が吉を運ぶことを教える爻です。

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