周易64卦384爻占断
208、火地晋(かちしん)4爻
◇ 晋とは何か?
火地晋(かちしん)は、
大地(坤)から太陽(離)が昇り始める 「日の出の卦」 です。
光が射し込み、ものごとは前へ進もうとする。
しかしその道のりには、
- 阻まれる
- 蹴つまずく
- 妨げられる
- 心が揺れる
といった影も伴います。
晋の本質は、
正しい方向性を保ちながら慎重に進む者だけが吉へ至る
という、静かで力強い“前進の教え”です。
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◆ 卦全体が教えてくれること
火地晋の卦が示すのは、
- 進む気運は確かにある
- しかし感情や欲が乱れると滞りやすい
- 慎重さ・誠実さが成功を決める
- 「正しく進む」ことが吉を生む
という、丁寧な前進の姿勢です。
4爻は、晋の明るさが
私欲や驕りで陰ってしまう危険 を警告する位置で、
卦全体のなかでも特に戒めが強く表れる爻です。
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◆ 4爻の爻辞と解釈
【爻辞】
「晋如(しんじょ)。鼫鼠(せきそ)。貞(かた)くすれば厲(あやう)し。」
【象伝】
「鼫鼠(せきそ)の貞(かた)くすれば厲(あやう)きは、位当らざるなり。」
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● 解釈
「晋如」──進もうとする姿。
しかしその進み方がよくないとき、
爻辞は象徴として 鼫鼠(大きな鼠) を掲げます。
鼫鼠とは、
- 貪欲
- 夜(坎)の闇
- 牙を持つ獣(艮)
の象です。
4爻は本来、
内卦の三陰が従順に君(五爻)へ進む流れを助けるべき立場ですが、
柔弱な君主(五爻)を侮り、私欲を満たそうとして動く
という歪んだ方向に力を使っている状態です。
そのため、
- 不正
- 欺き
- 紛擾
- 他人を利用する欲
が生まれやすく、それこそが「鼫鼠」と喩えられています。
象伝で
「位当らざる」と批判されるのは、
本来その位置が担うべき役割から外れ、
君側の権臣のように 私利私欲で動く危険 を示すからです。
爻辞の「貞くすれば厲し」とは、
正しさを欠いた固執は、かえって災いを招く
(=早く改めよ)
という強烈な戒めです。
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◆ 含まれる教え
4爻には次のような教えが込められています。
- 欲を優先して進めば必ず破れる
- 不正・ごまかしは一時しのぎにしかならない
- 位にふさわしくない振る舞いは破滅を生む
- 正しく改めることでのみ災いを避けられる
欲や焦りが高まりやすい位置だからこそ、
慎みと誠実さが強く求められます。
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◆ 仕事
仕事運では危険が多く、
- 不正・ごまかしで得た利益はすぐ露見する
- 勘違いや情報の錯誤で重大な間違いが起こる
- 書類の不備・契約ミス・事故などが発生しやすい
- 他人との争いや紛擾が増える
- 職場の代理人・担当者・手代が頼れない
という「危殆の相」が強く現れます。
また、
- 利益を急ぐ
- 競争を仕掛ける
- 無理押しをする
と失敗は避けられません。
退守が最善 の時です。
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◆ 恋愛
恋愛では吉ではありません。
- 仲人口を信じて騙される
- 相手の本性が見えず痛手を負う
- 不誠実な相手との縁が絡む
- トラブルになりやすい
- そもそも縁の質が良くない
という警戒すべき兆候が強く出ています。
特に、
「人から言われてその気になる」
「よく調べずに進める」
ことは危険です。
婚姻は断念すべし、
というほど明確な凶意を含みます。
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◆ 火地晋(4爻)が教えてくれる生き方
4爻の人生メッセージは明瞭です。
欲が心を曇らせた時こそ、立ち止まって正しさを取り戻すべき。
- 調子に乗れば破れを生む
- 私欲に走ると必ず自分へ返ってくる
- 不正・ごまかしは「必ず露見する」
- 退き守るという「賢い撤退」が必要
- 正しい改めが、災いを遠ざける
火地晋の4爻は、
進むべき道を誤ればすぐに「厲=危険」に至るため、
欲の影を祓い、誠実に立て直すことを
強く教えてくれる爻です。

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