116、風地観(ふうちかん)2爻占断

周易64卦384爻占断

周易64卦384爻占断

116、風地観(ふうちかん)2爻

◇ 観とは何か?

風地観(ふうちかん)は「観る」「省みる」「模範を示す」を意味する卦です。上にある風(巽)が下に広がる地(坤)を吹きわたり、人々がそれを仰ぎ観る姿を象徴しています。人々はただ出来事を眺めるのではなく、そこから教訓を得て自らを正す必要があります。また、導く立場の人は、自らが観られる存在であることを意識し、その姿を整えることが求められます。

◆ 卦全体が教えてくれること

観の卦は「観察」と「模範」を両立させることを示しています。人を観察するだけではなく、自分が観られる立場であることを自覚し、徳をもって人々に影響を与えることが大切です。浅い視点に留まらず、物事の全体を見渡し、謙虚さと洞察力を養うべき時を教えています。

◆ 2爻の爻辞と解釈

【爻辞】

「闚觀(きかん)。女の貞に利ろし。」

【象伝】

「闚觀・女の貞は、亦醜ず可きなり。」

解釈

「闚觀」とは、隙間から覗き見るように物事の一部しか観られない状態を指します。童観がただ幼稚で蒙昧な見方であるのに対し、闚觀は「正しく見極めたい」という意欲が生じている点で一歩進んでいます。しかし、全貌を見渡せるわけではなく、まだ視野が狭い段階です。

爻辞で「女の貞に利ろし」とあるのは、女性のように分を守って過度に出しゃばらず、慎み深く留まる観であれば良しとされるという意味です。象伝の「醜ず可きなり」は、君子がこのような偏狭な観に留まるのは恥ずべきことだ、という警めです。

この爻を得た時は、物事を大局的に見られず、部分的な情報で判断して誤りやすい時です。軽率に行動すると、取り返しのつかない失敗を招く危険があります。新規の事業や大きな挑戦は避け、まず静観し、大局を見極めることが肝心です。

◆ 含まれる教え

  • 部分的な情報だけで判断してはならず、全体を見渡す眼を養うこと。
  • 女性の「慎み深さ」のように、分を守って余計な出過ぎを避けること。
  • 君子は浅い観に留まらず、常に洞察を深める努力を続けること。

◆ 仕事

仕事面では、細部ばかりにとらわれて全体像を見失いやすい時期です。表面的な利益や一時的な有利さに惑わされると、逆に大きな損失につながります。また、交渉や商取引では、せっかく有利な条件が揃っていたのに思わぬ障害が生じ、決裂する恐れがあります。軽率な決断を避け、状況を俯瞰して慎重に判断する姿勢が必要です。

◆ 恋愛

恋愛では、相手の本質を見極めることができず、表面的な印象だけで判断しやすい時です。甘い言葉や外見に惑わされて、後で失望することもあります。また、相手の家族や背景を軽んじると問題が生じやすい時でもあります。急がず、相手の内面を時間をかけて知るように努めることが大切です。慎み深く距離を保ちながら進めば、安定した関係へとつながります。

◆ 風地観(2爻)が教えてくれる生き方

2爻は「闚觀」、つまり「垣間見る」観を示しています。これは物事の全体像をまだ掴めていない未熟な段階であり、軽率な行動は危うさを招きます。しかし、慎みをもって静かに観察し続けることで、やがて広い視野を得ることができます。自分の分を守り、過信せず、全体を見渡す力を養うことが、この爻が教える生

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