周易64卦384爻占断
97、沢雷隨(たくらいずい)初爻
◇ 随とは何か?
雷地予の次に出る「随(ずい)」の卦は、上に兌(沢)、下に震(雷)を配して成ります。随とは「従う」「ついていく」という意味で、変化の時に自我を張らず、柔軟に時勢に随うことの大切さを教えています。
◆ 卦全体が教えてくれること
随は「従うことで得をする卦」です。人に随うことは、一見すると自分を失うように見えるかもしれませんが、時の流れや人の意向に素直に従うことで、むしろ大きな調和と成功を得られるのです。自分の意固地な考えに固執せず、流れに順応していくことが吉となります。
◆ 初爻の爻辞と解釈
【爻辞】
「官渝るあり。貞にして吉。門を出でて交われば功あり。」
【象伝】
「官渝るありは、正に従えば吉なり。門を出でて交われば功あるは、失わざるなり。」
解釈
「官渝るあり」とは、職務や立場の変化を意味します。官職は本来容易に変わるものではありませんが、時の勢いが変化をもたらすのです。随の卦においては、その変化に従うのが正しい道であり、これが「貞にして吉」とされます。
また「門を出でて交われば功あり」とは、家に閉じこもらず、積極的に外へ出て人と交流すれば良い結果を得ることを意味します。人間関係を広げておけば、不意の変化にも対応でき、孤立することなく成功に結びつきます。
◆ 含まれる教え
- 環境や立場が変わるときには、抵抗せずその変化を受け入れることが吉。
- 内にこもるより、外に出て人と交流することで助力を得られる。
- 独りよがりは失敗を招き、広い交際は未来の備えとなる。
◆ 仕事
転職や異動、職務内容の変更など、環境の変化が訪れる暗示です。その変化は必ずしも自分の望む形ではないかもしれませんが、従うことで結果的に道が開けます。上司や同僚とのつながりを大切にし、信頼を築くことが大切です。
◆ 恋愛
恋愛面では、新しい出会いや関係性の変化が訪れやすい時です。自分の理想に固執せず、相手や環境に合わせて柔軟に振る舞うことが大切です。また、外に出て人と積極的に交流することで、良縁に巡り合う可能性が高まります。
◆ 随(初爻)が教えてくれる生き方
初爻は「変化に従うことの吉」を教えています。立場や環境の変化に抗わず、むしろそれを受け入れて前向きに進むこと。さらに、人と積極的に関わり、広い交際を持つことで、思わぬ助けや成功を得ることができるのです。人生においても、変化の波を恐れずに乗り、交わりを大切にする姿勢が、幸福への道を切り拓いていくのです。
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