周易64卦384爻占断
92、雷地予(らいちよ)2爻
◇ 雷地予とは何か?
雷地予(らいちよ)は、上卦が震(雷)、下卦が坤(地)で成り立ちます。「予」とは楽しみ・安らぎを意味しますが、これは真の喜びか、あるいは一時的な快楽に過ぎないか、その扱い方によって吉凶が分かれることを教えています。
◆ 卦全体が教えてくれること
予の卦は「楽しみ」を通して人心をまとめたり、逆に逸楽に流れて堕落したりする両義性を持っています。楽しみは人に力を与えますが、道を誤れば害を生みます。節度を持ち、適切な時に楽しみを取り入れるならば、吉を得られるのです。
◆ 二爻の爻辞と解釈
【爻辞】
「石に介す。日を終えず。貞吉。」
【象伝】
「日を終えず、貞吉は、中正を以てなり。」
解釈
二爻は陰位に陰爻で中正の徳を備えており、予の時にあっても中庸を失わず、遊興に流されることがありません。「石に介す」とは、境界をしっかり定めて自分を守ること。石のように堅固に区切りを設けることで、歓楽に深入りすることなく、正しく身を持する姿を表します。
「日を終えず」とは、楽しみが長く続く前に自ら退いて正道を守ることです。遊びや快楽が盛り上がりきる前に区切りをつけることによって、害を避けられると説いています。その結果として「貞吉」――正しきを守ることで吉を得る、という意味になります。
◆ 含まれる教え
- 享楽に浸りきるのではなく、時に退いて節度を守ることが吉。
- 守りを固め、身を慎むことが必要な時。
- 「石に介す」とは、自己防衛の姿勢であり、他からの誘いに流されない強さを持つこと。
- 本質的には「節度ある楽しみ方」が真の吉を招くという教訓。
◆ 仕事
他人の誘いや派手な計画に巻き込まれると失敗しやすい時です。むしろ現状を堅実に守り、進出よりも維持を選ぶのが安全です。計画中の事業は、時期を見極めて待つべきであり、無理に進めれば損失を招きます。
◆ 恋愛
心地よい関係にあっても深入りや急進は禁物です。相手に流されて不用意に踏み込むと、後に悔いが残る可能性があります。節度を守り、相手を尊重しながら一歩引いた態度を取ることが、良縁へとつながります。
◆ 雷地予(二爻)が教えてくれる生き方
この爻は「身を守る節度」を強く説いています。楽しみは必要ですが、それを持続可能なものにするには、時に自制し、適切なところで切り上げる賢さが求められます。人生においても、誘惑に流されず、石のように堅固に自己を守り続けることで、安定した吉を得られることを教えています。
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