66、地天泰(ちてんたい)上爻占断

周易64卦384爻占断

周易64卦384爻占断

66、地天泰(ちてんたい)上爻

◇ 地天泰とは何か?

地天泰(ちてんたい)は、上に地(坤)、下に天(乾)が重なり、天地の気が通じ合う大吉卦です。すべてが通じ調和し、社会や人生においても繁栄と安泰の時期を示します。ただし、泰の極みはすでに否(ひ)の兆しを含み、盛運の中に衰運が潜んでいることを忘れてはなりません。成功や平和の時こそ、未来の乱れを予防するために慎重さと謙虚さが求められます。

◆ 上爻の爻辞と解釈

【爻辞】
城(しろ)隍(からぼり)に復(かえ)る。師(いくさ)を用(もち)ゆる勿(なか)れ。邑(ゆう)より命(めい)を告(つ)ぐ。貞(てい)なれば吝(りん)。

【象伝】
城(しろ)隍(からぼり)に復(かえ)るは、其(そ)の命(めい)乱(みだ)るなり。

解釈
泰の終わりに当たる上爻は、盛運が尽きて否運に移る様子を示します。「城隍に復る」とは、高く築かれた城が崩れ落ちて空濠のように弱体化すること。もはや人力では抗えず、「師を用ゆる勿れ」とあるように兵力を動員しても効果がありません。「邑より命を告ぐ」とは、もはや君主の威令が失われ、地方の草莽が勝手に命令を発するような無秩序の状態です。たとえ「貞」を守ろうとしても、すでに時運は否に傾いており、かえって吝を招きます。

◆ 含まれる教え
•盛運の後には必ず衰退が訪れる
•大勢の流れには逆らえず、人力で無理に止めようとすればかえって破滅を招く
•不要な戦いや抵抗は損害を大きくするだけである
•被害を最小限にし、時運が再び巡るのを待つ柔軟さが必要

◆ 仕事
この時は、組織や会社において内部の統制が崩壊しつつある状態を表します。社長と幹部の意見が食い違い、部下はどちらに従うべきか迷うといった混乱が起きやすい時期です。新規事業や拡大は大きな損害を招きます。現状維持すら困難で、今は被害を最小限に抑えることを最優先すべきです。退くべき時に退く勇気が必要であり、犠牲を減らすことが次の復興の布石となります。

◆ 恋愛
恋愛においては、関係が破綻の危機に瀕している状態を示します。互いの信頼や愛情が揺らぎ、外部からの干渉や内部の不一致によって崩れやすい時期です。無理に修復しようとすると、かえって溝が深まります。関係を守りたいなら、いったん距離を置いて冷静に成り行きを見守る必要があります。強引に縛ろうとするのではなく、自然の流れに任せることで、時が新たな縁や和解をもたらす可能性があります。

◆ 地天泰(上爻)が教えてくれる生き方
この上爻は、「盛運の極みは衰運の始まり」であることを教えています。物事が順調すぎるときほど、崩壊の兆しを見抜き、柔軟に退く準備をしておくべきです。無理に抗うのではなく、損害を最小限に抑えて次の好機を待つ姿勢が、逆境を切り抜ける智慧です。泰の終わりは否の始まりですが、その中に次の泰への芽が宿っています。終わりを潔く受け入れることが、新たな始まりを導く道なのです。

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