周易64卦384爻占断
21、山水蒙(さんすいもう)3爻
◇ 蒙とは何か?
『蒙(もう)』は、無知から知への成長、導きと教えの重要性を説く卦です。
下に「水(坎)」、上に「山(艮)」がかさなる形は、水が山にせき止められ、行く先を知らずにたゆたう状態。
これはまさに、知識も経験も乏しく、どう進んでいいか迷っている若者の姿にたとえられます。
この卦が私たちに示すのは、未熟さは咎ではなく、適切な導きによってこそ成長の糧となる、という教えです。
◆ 三爻の爻辞と解釈
【爻辞】
女を取るに用うる勿(なか)れ。金夫(きんぷ)を見て、躬(み)を有(たも)たず。利(よろ)しき攸(ところ)なし。
【象伝】
女を取るに用いるなかれ、行い順ならざるなり。
この三爻は、蒙卦のなかでも特に戒めの強い位置にあります。
ここで描かれているのは、自らの立場をわきまえず、身近な強者(=金夫)に目を奪われ、節操を失ってしまう女性の姿です。
「女を取るに用うる勿れ」とは、このような人物を伴侶にしてはならないという戒めです。
また「金夫を見て、躬を有たず」とは、金持ちの男性に心を奪われ、自己を見失ってしまう姿。
その結果として「利ろしき攸なし(よいところがない)」、すなわち、何をやってもうまくいかない、という警告となります。
この爻は、正応すべきは上爻なのに、それを見ずに近くの二爻に惹かれてしまうという「誤った選択」「道を外れた愛情」も象徴しています。
◆ 含まれる教え
この爻が伝える教訓は、「目先の魅力や打算に流されるな」「節度と自制を忘れた選択は、やがて自分を損なう」ということです。
また、「誠実さよりも利得を優先する恋愛・結婚」は、やがて大きな後悔や損失につながるという教えでもあります。
人との関わりにおいて、見た目の強さや豊かさではなく、その人の内面や相応しさを見ることが大切であると示しているのです。
◆ 仕事
この時期の仕事運は、「甘い誘惑に注意」といえるでしょう。
派手な話や利益ばかりを強調する提案に心を奪われると、肝心な足元を見失ってしまいます。
たとえば「大きなリターンを得られる」といった投資話や、副業、転職の誘いなどには慎重になるべき時期。
自分の力量や立場を冷静に見つめ、着実な努力を重ねる方が、長い目で見て吉となります。
また、自分の役割を越えて無理に目立とうとすると、かえって評価を落とす可能性もあります。今は分を守ることが肝要です。
◆ 恋愛
恋愛においては、この爻ははっきりと「慎め」と警告しています。
表面的な魅力や経済力に惹かれ、本来の相性や人柄を見誤ると、あとで深く傷つくことになりかねません。
また、自分が誰かに対して「条件だけで見ていないか」「尊敬できるか」を見つめ直す必要があります。
一時の情熱や打算で始まった関係は、やがて崩れやすく、心まで失ってしまう可能性があります。
結婚を考えている人にとっては、まさに「時期尚早」。冷静さと慎重な見極めが求められる局面です。
◆ 山水蒙(三爻)が教えてくれる生き方
この三爻は、「欲に目をくらませるな」「誠実であれ」と私たちに語ります。
外見の輝きや打算的な選択は一見魅力的に思えても、それに心を奪われることで、もっとも大切な“自分自身”を見失ってしまいます。
これは人生における大切な選択すべてに言えることです。
「この道を進めばうまくいくか?」ではなく、「この道は自分にふさわしいか?」「胸を張って選べるか?」を問うこと。
そこにこそ、人生の安定と成長への道が開かれていくのです。
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