春爛漫の4月、各地の神社では伝統の祭典が執り行われ、地域ごとに趣向を凝らした行事が春の訪れを彩ります。今回は、2025年4月7日から13日の間に全国で開催される祭りの中から、東日本・中部・西日本それぞれの土地に根ざした由緒ある神社の祭典を3つご紹介します。いずれも長い歴史と独自の文化を持ち、地元で大切に受け継がれてきた春のお祭りです。
1、日光二荒山神社「弥生祭」(栃木県日光市)
• 祭典日: 2025年4月13日(日)~17日(木)
• 御神徳: 福徳開運・縁結び(福の神として開運や縁結びのご利益で有名 )
• 所在地: 栃木県日光市山内
祭典の歴史・特色: 「弥生祭」は日光二荒山神社の春の例大祭で、約1200年の歴史を誇る由緒ある祭りです 。春らしい彩りの花家体(はなやたい)と呼ばれる11台の屋台山車が、ヤシオツツジの造花で華やかに飾られて街を巡行し、日光に春の訪れを告げます 。古式ゆかしいしきたりに則って行事が進められ、手順を違えると町同士の揉め事になることから「ごた祭り(ごた=トラブル)」や「ケンカ祭り」とも呼ばれる勇壮な側面も持ち合わせます 。
• 参考リンク: 栃木県観光「とちぎ旅ネット」弥生祭紹介ページ
2、足助神社「足助春まつり」(愛知県豊田市)
• 祭典日: 2025年4月12日(土)・13日(日)
• 御神徳: 足・旅・交通の守護、病気平癒・安産(古くから足や旅の守護神として信仰される神社 )
• 所在地: 愛知県豊田市足助町
祭典の歴史・特色: 南北朝時代の武将・足助重範(あすけしげのり)公を祀る足助神社の例祭で、かつては重範公の命日(5月3日)にあわせて催されていましたが、現在は桜の咲く4月第2週の土日に開催されています 。祭りでは足助地区の7つの町から花車と呼ばれる山車が繰り出し、満開の桜や藤の花で美しく飾られた山車を、10代までの少女たちが笛や太鼓にあわせて囃し歌い、20代中心の若衆が舵取りして町並みを練り歩きます 。地元では「華やかな女の子の祭り」と評されるように、勇壮な秋祭りとは対照的な優雅で華やかな春祭りとなっています 。
• 参考リンク: 愛知県観光サイト「Aichi Now」足助春まつりページ
3、長浜八幡宮「長浜曳山まつり」(滋賀県長浜市)
• 祭典日: 2025年4月13日(日)~16日(水)
• 御神徳: 厄除け・開運(湖国総鎮護の神社として地域を厄災から守護 )
• 所在地: 滋賀県長浜市宮前町
祭典の歴史・特色: 戦国時代から続く長浜八幡宮の例祭で、日本三大山車祭の一つにも数えられる豪華絢爛な祭りです 。天正9年(1581年)、長浜城主だった羽柴秀吉(豊臣秀吉)が嫡男誕生を祝って城下の人々に振る舞った砂金をもとに、町民が12基の曳山(山車)を造って奉納したのが始まりと伝えられています 。絢爛な装飾が施された曳山は「動く美術館」とも称され、上段が舞台になった山車の上で地元の子どもたちが熱演する子ども歌舞伎は祭り最大の見せ場となっています 。この伝統は400年以上にわたり受け継がれ、地域の誇りとして毎年春の長浜を盛り上げます。
• 参考リンク: 長浜曳山まつり公式ホームページ
桜の季節に繰り広げられる伝統の祭典は、豪華な山車や勇壮な神輿だけでなく、その土地に受け継がれてきた物語と人々の情熱を感じられるのも魅力です。今年の春は、こうした由緒ある神社のお祭りを訪ねて、地域ならではの文化に触れてみてはいかがでしょうか。  
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