2025年3月31日~4月6日に行われる神社祭典3選

神社祭典暦

春の訪れとともに、日本各地では伝統ある神社の祭典が賑やかに催されます。ここでは、2025年3月31日から4月6日の期間に開催される祭典の中から、東日本・中部・西日本それぞれの地域を代表する3つの由緒ある神社のお祭りをご紹介します。

1.牛が主役の珍しい祭礼 ― 山口県・氷室亀山神社「伊陸天神祭」
• 祭典日:2025年4月6日(日)
• 御神徳:学問成就(学業守護)・合格祈願
• 所在地:山口県柳井市伊陸宮ヶ原

氷室亀山神社は学問の神様・菅原道真公を祀る神社です。天神信仰では神牛(御神牛)が道真公の御使いとされており、この祭りでも牛が重要な役割を担っています。毎年4月第1日曜日に行われる例祭「伊陸天神祭」は、1840年代に始まった伝統行事で、地元では「牛天神」とも呼ばれています。

祭りでは金襴緞子で華やかに着飾った黒牛が御網代輿(みあじろこし)と呼ばれる牛車をゆっくりと引き、神社から御旅所まで往復します。牛が主役という珍しい祭礼で、その勇壮かつ愛らしい行列を一目見ようと多くの参拝者が訪れます。約180年の歴史を持つこの祭りは、地域に根ざし受け継がれてきた春の風物詩です。祭りの最後には福餅をまく「餅まき」も行われ、境内は終日大いに賑わいます。

リンク:山口県観光サイト「おいでませ山口へ」伊陸天神祭紹介ページ

2.江戸の粋と技が集う山車行列 ― 愛知県・針綱神社「犬山祭」
• 祭典日:2025年4月5日(土)・6日(日)
• 御神徳:安産祈願・縁結び・家内安全
• 所在地:愛知県犬山市

針綱神社は伊邪那美命を主祭神とし、安産や縁結びの神徳で信仰を集めています。その例祭にあたる「犬山祭」は、寛永12年(1635年)に始まったと伝わる春の祭礼で、国の重要無形民俗文化財に指定されています。毎年4月第1土・日に行われ、見どころは城下町に繰り出す13輌の三層構造の山車です。

山車上では江戸時代から伝わるからくり人形劇が披露され、笛や太鼓のお囃子とともに華麗に練り歩きます。夜になると各山車に提灯が灯り、満開の桜並木の下を巡行する様子はまるで錦絵のように幻想的です。2016年には犬山祭の山車行事がユネスコ無形文化遺産「山・鉾・屋台行事」の一つとして登録されました。

祭りの二日間、犬山城の城下町は江戸絵巻さながらの熱気と華やぎに包まれます。地域の誇りとして市民に愛され、国内外から多くの観光客が訪れる大規模なお祭りです。

リンク:犬山観光情報サイト「犬山祭」紹介ページ

3.世界から注目されるユニークな神事 ― 神奈川県・金山神社「かなまら祭」
• 祭典日:2025年4月6日(日)
• 御神徳:子宝(子授け)・夫婦和合・商売繁盛
• 所在地:神奈川県川崎市川崎区

川崎市の金山神社で行われる「かなまら祭」は、俗称「かなまら祭り(鉄男根祭り)」として世界的にも知られるユニークな祭典です。元々は鍛冶の神様を祀る神社ですが、江戸時代に川崎宿の遊女たちが性病除けを願ったことに始まったとされ、現在では子宝や夫婦円満、商売繁盛のご利益を願う春祭りとして定着しています。

祭り当日は男性器をかたどった巨大な御神輿が担がれ、陽気な掛け声とともに街を練り歩く様子を一目見ようと国内外から多くの人々が訪れます。ピンク色の「エリザベス御輿」をはじめ複数の御神輿が次々と練り出す光景は圧巻で、参加者はユーモアあふれる雰囲気の中にも豊穣と安産を祈る神事の心を感じ取ることができます。

境内では男根形の飴やグッズなどユニークな縁起物が数多く並び、記念写真を楽しむ外国人観光客の姿も目立ちます。地域に古くから伝わる民俗信仰と現代の国際色豊かな盛り上がりが融合した、川崎ならではの春の奇祭です。

リンク:川崎市観光協会公式サイト(若宮八幡宮・金山神社紹介ページ)

おわりに

日本の神社祭典は、ただの行事ではなく、地域の文化と歴史、そして人々の願いを映す鏡のような存在です。それぞれの祭りに込められた物語を感じながら、春の旅先に選んでみてはいかがでしょうか?今年もまた、祈りと歓びにあふれる季節が巡ってきます。

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