周易64卦384爻占断
358、水沢節(すいたくせつ)4爻
◇ 水沢節とは何か?
水沢節(すいたくせつ)は、「ほどよく区切る」「節制する」ことで、物事を健やかに保つ卦です。
出過ぎを抑えるのはもちろん、止まり過ぎて滞るなら、その滞りもまた調整する――つまり節とは、進む/退くの加減を知る働きだといえます。
◆ 卦全体が教えてくれること
節の時は、勢いだけで動くと上手く行きません。
一方で、ただ縮こまるのでもなく、場に応じて「ここまでは出る」「ここからは出ない」という線引きが要ります。
この卦が求めるのは、強さよりも分限を知る慎みであり、外へ広げるより先に、内側を整える態度です。
◆ 4爻の爻辞と象伝
【爻辞】
「節(せつ)に安(やす)んず。亨(とお)る。」
【象伝】
「節(せつ)に安(やす)んずるの亨(とお)るは、上道を承(う)くるなり。」
● 解釈
この爻の要諦は「安んず」です。
これは、動かないという意味ではなく、従うべきところに従って心が落ち着くことを言います。節を守ることを「窮屈だ」と感じているうちは、節は苦役になります。けれども、節を身に収め、分に応じたものとして受け入れた時、心が静まり、行いが整い、そこから「亨る」が開けます。
象伝が示す「上道を承くる」は、上の方針・道理・筋道を受けて、それに背かずやってゆくことです。
四爻は、五爻の尊位に近く、これを支える立場に当たります。ここで独断や反発、あるいは出過ぎた振る舞いをすると、節が壊れます。
反対に、上の意を受け、礼を失わず、役割の範囲で丁寧に働けば、物事は乱れずに進みます。これが「亨る」の実際です。
言い換えるなら、大きく勝ちに行くより、崩れない形で対処する時です。
「安んずる」ことで運が停滞するのではなく、安んずることで亨通を得る――それがこの爻の味わいです。
◆ 含まれる教え
- 節を「窮屈」と見ず、身に合った形として安んじて受け入れると通る
- 上の道理を受け、分を守ることで安泰が固まる
- 越権・独断・反発は、節の運を崩しやすい
- 穏健さは弱さではなく、長く安泰を得るための力になる
◆ 仕事
仕事では、目上の方針・組織の指示に沿って進めて成果が残る時です。
- 自分の判断で突っ走るより、指示や前例を丁寧に守る
- 役割の範囲を守り、越権行為や背伸びをしない
- 調整役・補佐役として信用を積む事で運が通る
- 「攻め」に転じたくても、今は保守の工夫が必要
この爻は、派手な改革より「安定運用」の巧さを重んじます。
分をわきまえない手段で目立とうとすると、かえって崩れやすいので、上の意向を受けて粛々と進める――それが亨通の道です。
◆ 恋愛
恋愛では、落ち着いた関係を育てる節が吉になります。
- 背伸びして相手に合わせ過ぎない
- 立場や状況に合った距離感を守る
- 礼を厚くし、誠実に段取りを踏むことでまとまりやすくなる
- 自分の都合だけを通そうとすると、うまくゆかない
四爻は「相手や周囲の筋を立てる」ほど良縁になりやすい爻です。
急いで形にするより、段取りに手間がかかっても、丁寧に進める方が結果が安定します。
◆ 水沢節(四爻)が教えてくれる生き方
節に安んずる――それは、我慢して自分を縛ることではなく、分に応じたことを守り心を平らかにすることです。
上の道理を承け、出過ぎず、乱さず、礼を守って進める。
その穏健さが、信用を育て、道を通し、結果として「亨る」に至る。
四爻は、静かに運を通すための、最も堅実な節の姿を示しています。

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