322、雷沢帰妹(らいたくきまい)4爻占断

周易64卦384爻占断

周易64卦384爻占断

322、雷沢帰妹(らいたくきまい)4爻

◇ 帰妹とは何か?

雷沢帰妹(らいたくきまい)は、「若い女性が嫁ぐ」という象を借りて、順序・立場・筋道が整わないまま進むことの危うさを教える卦です。ここでいう「妹」は兄弟の妹ではなく、若い女性一般を指します。雷のように心が動き、沢のように情や欲が満ちると、結論を急いで形を作りたくなりますが、帰妹はむしろ、急いで動くほど後で破綻を招くことになるのを戒めます。

◆ 卦全体が教えてくれること

帰妹の要点は、「動けば解決する」とは限らない、ということです。

とくに、条件が揃わないのに勢いで前へ出ると、いったんは進んだように見えても、後になって不満や食い違いが表に出てきます。だからこそこの卦は、分を守り、順を踏み、時機を選ぶことを重んじます。焦りを抑え、整えるべきを整える――それが災いを避ける道筋になります。

◆ 四爻の爻辞と象伝

【爻辞】

「帰妹(きまい)・期(とき)を愆(す)ぐ。帰(とつ)ぐを遲(ま)ちて時(とき)あらん。」

【象伝】

「期(とき)を愆(す)ぐるの志(こころざし)は、待(ま)つことありて行(ゆ)くなり。」

● 解釈

四爻が描くのは、「進みたいのに進めない」弱さではなく、進みたい気持ちがあるからこそ、拙速を避けるという慎みです。「期を愆ぐ」は、予定がずれたり、機会を外したりする響きを持ちますが、ここでは単なる取り逃しではなく、今は条件が整っていないため、あえて今という時を逃してでも無理に決めないという態度が中心になります。

「帰ぐを遲ちて時あらん」は、やみくもに先延ばしにするのではなく、正当な時が来たら、その時に進むという見立てです。象伝が「待つことありて行くなり」と言うのは、志が消えたのではなく、志の置き所を「待機」に定めている、ということです。つまり、今は動くよりも、将来動ける条件を整え、余計な損を増やさない方が筋に適います。

ただし、この爻は外卦が震で「震動」の気を含むため、周囲が急かしたり、自分の心が揺れて決断を急ぎたくなったりしやすい。けれども、今は、動いたとしても十分な成果が伴いにくく、形だけ進んでも中身が追いつかない恐れがあります。だから四爻は、焦りに乗って一気に進むのではなく、待つべきを待って、次に来る機会で確かに前へ出るという方針を示します。

この「待機」は消極策ではありません。むしろ、守るべき筋を守り、節度を保ち、準備を整え、条件が揃ったときに無理なく動けるようにする――そうした現実的な用心が、この爻の良さになります。逆に、待つ間に心が乱れたり、欲や見栄で動くことがあれば、せっかくの好転の兆しを自分で損ねることになります。

◆ 含まれる教え

  • 予定がずれても、満足の行かない条件で押し切らないことが大切
  • 「待つこと」は現状を投げ出すことではなく、時機を選ぶための選択
  • 急かされても軽々しく乗らず、損を増やさない判断を優先する
  • いま一歩を進めるよりも、次の機会を待ち確かに進む設計をする
  • 待つ間は、筋道を守り品位を崩さないことが必要

◆ 仕事

仕事では、異動・転換・新規の打ち出しなど「積極的な働きかけ」が目につきやすい時ですが、四爻は「動くな」と断じるのではなく、今の動きは実りが薄いので、機が熟してから動けと教えます。

この時は、焦って表に出るより、条件を整えることが勝ち筋です。具体的には、情報の取り直し、根回し、準備の積み上げ、信用の固め直しなどに力を入れるとよいでしょう。交渉事も、今は相手の事情が変動的で、無理に押し切ろうとすると解消に傾きがちです。急いで結論を取るより、仕切り直せる余地を残す方が、結果として安全にまとまりやすくなります。

◆ 恋愛

恋愛では、「はっきりさせたい」「今決めたい」という気持ちが起こりやすい一方で、四爻は、条件が揃わないうちに形だけ進める危うさを示します。

ここでいう「待つ」は、気持ちの冷えではありません。相手の事情、環境、覚悟、言葉と行動の一致など、土台が整わないまま進むと、後から不満や歪みが出やすい――その現実を踏まえ、正当な時に進むために今は待機して内部を整えるという姿勢です。急いで答えを出すより、互いの状況を確かめ、無理のない流れを作ることが、この爻が示す安全策になります。

◆ 雷沢帰妹・四爻が教える生き方

帰妹の四爻は、動きたい心があっても、いまは拙速を避け、待つことで道を整えることを教えます。

時を外してでも筋を守り、節度を保ち、条件が揃ったときに確かな一歩を踏み出す――その慎みが、結果として失敗を避けて次の確かな展開を生み出します。

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