312、艮為山(ごんいざん)上爻占断

周易64卦384爻占断

周易64卦384爻占断

312、艮為山(ごんいざん)上爻

◇ 艮とは何か?

艮為山(ごんいさん)は、「止まる」ことを本質とする卦です。山が動かず、その場に静かに在り続けるように、外部の状況に振り回されず、自分の立つ位置を守る時を示します。艮は単なる停滞ではなく、動かないことで秩序を保ち、物事を混乱させずに収める力を意味しています。

◆ 卦全体が教えてくれること

艮の卦が教えるのは、「止まるべき時に止まる」だけでなく、「止まったまま終わりまで保つ」ことの大切さです。途中で気持ちが緩んだり、先を急いだりすると、せっかく整えた秩序が崩れてしまいます。艮は、終わりを丁寧にまとめることで、次の段階へ無理なく移る道を示しています。

◆ 上爻の爻辞と象伝

【爻辞】

「艮(とど)まるに敦(あつ)し。吉(きち)。」

【象伝】

「敦艮(とんごん)の吉(きち)は、もって終(おわ)りを厚(あつ)くするなり。」

● 解釈

上爻は、艮の卦が行き着く最後の位置にあたります。ここで示される「敦し」とは、止まる姿勢が軽くなく、重みをもって保たれている状態を表しています。人は一度止まることができても、その状態を最後まで守り抜くことは案外難しいものです。しかしこの爻では、動かずに踏みとどまり、そのまま終わりまで貫くことで吉を得る事ができます。

象伝が語る「終りを厚くする」とは、物事を途中で投げ出さず、きちんと締めくくることを意味します。ここでの吉は、新しい展開を力強く押し広げる吉ではありません。むしろ、すでに積み重ねてきたことを大切に守り、整えて終えることで得られる安定した吉です。

この段階では、これまでの流れをさらに追いかけるよりも、一度区切りをつける姿勢が求められます。艮の終わりにあるこの爻は、「次へ進む前に、今をきちんと終わらせる」ことが、結果として良い道につながると教えています。

◆ 含まれる教え

  • 止まる姿勢は、最後まで保ってこそ意味を持つ
  • 引き際を整えることで、物事は穏やかに収まる
  • 無理に前進するより、締めくくりを大切にする時
  • 今を丁寧に終えることが、次への準備になる

◆ 仕事

仕事では、一つの役割や案件をどう終えるかが重要になる時です。成果が見えていても、さらに押し進めるより、整理とまとめを優先した方が安定します。引き継ぎや後始末を丁寧に行うことで、評価が保たれ、次の機会にもつながりやすくなります。

また、今取り組んでいることは、いったん区切りをつける段階に来ている可能性があります。新しい計画を急ぐより、現在の仕事を整えて終えることが、結果として最善となるでしょう。

◆ 恋愛

恋愛では、落ち着きと節度が重視される時です。感情に任せて動くより、関係を穏やかに保ち、誠実さを積み重ねることが吉につながります。縁談として見ると、良い縁ではありますが、話が進みにくい面もあります。

しかし、それは悪い兆しではなく、時間をかけて整える必要があるという意味です。焦らず、順序を守り、丁寧に進めることで、結果的に安定した関係に至りやすくなります。

◆ 艮為山・上爻が教える生き方

艮為山の上爻は、「止まることを最後まで貫く」生き方を示しています。勢いで次を求めるのではなく、今あるものをきちんと収め、終わりを整えることが大切です。その重みのある引き際が、次の段階へ自然につながっていく――それがこの爻の教えです。

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