周易古占例 36

周易古占例

新井白蛾の占例 周易古占例 36 (9)器物二つ、類縁ありて類せざる物という、(10)類縁なき物三品、一つは草、一つは虫、一つは建具という。

本ブログでは、少しずつ周易の古占例を掲載してゆきたいと思います。

今回も前回に引続き新井白蛾の占例です。 (射覆二占)


(9)器物二つ、類縁ありて類せざる物という  

【得卦  大有之鼎(初爻変)】
          【新井白蛾の占】

火天大有 初爻変 鼎

  断にいわく、離は文あり。

この物模様あり。また離の象は中空また開いて円(まど)かなりとす。この物、この形なるべし。

   乾は丸く、巽の象は下に凹あり。この物俗にいう「いとそこ」、碁笥尻(ごけじり)の物ならん。(注、1、糸底(いとぞこ)・・・陶磁器の底の部分。2、碁笥(ごけ)・・・碁石を入れる容器。)

   さて、大有は大いに有なり。この物世に沢山なる器なるべし。

    離は火にして升り、乾は水とし金とし重くして下る。巽は風にしてひるがえる。

   この物用いるときに当たりて上たり下たりひっくりかえしするなるべし。

    鼎は変革の義ありて改まるの意とす。これ物事を改むるに用るの意あるか。

  「一つも上、空虚にして尻、丸長くして穴あり。その用とする所、穴にあるべし。

   居(すわ)り悪き物、これも又倒(さかさま)にする意あり。

   乾の丸く、巽の長く穴あるの象。

また風は動いて止らず居り悪きとす。」

 一つは貴に属すべく、一つは賤に近かるべし。

一つは木にて作り、一つは金にて作る物とす。

   大有の卦は貴に見、鼎の卦を賤に近くとす。

けだし此物、盃と上戸(じょうご)となるべし。

果たしてしかり。
 

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(10)類縁なき物三品、一つは草、一つは虫、一つは建具という。   

【得卦  坤之復(初爻変)】
          【新井白蛾の占】

坤為地 初爻変 復
 
 
    断にいわく、坤為地はその象廣とし、直行とす。その色黄とす。

    此草花大にして色黄に茎直行してよく立ちのびるなるべし。

    復は陽の復(かえ)り廻るなり。此草、極めて日廻り(ひまわり)と号する草なるべし。

はたしてしかり。

    虫は地中に蟄して陽を待ちて後動く。

復は旧きを去りて新にかえる。

    坤に集まるの意あり。震は長とし、勢いありとす。此虫龍蛇ならん。

果たして蛇なり。

    建具は物により添うて立つ物なるべし。

    陰は陽に従い資(と)るの意。さて坤為地の象を見れば段々に物を重ねたる形あり。

復は下より上へ登るとす。

    また坤は物を載るとす。これ梯子(はしご)なるべし。

果たして然り。
 

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※文章は読みやすくするため、適宜加削変更しています。




【執筆者】

天元春日(あまもとはるひ)

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【ココナラ】 「天元春日」で検索してください。

【著書】

○『年卦八索法  平田篤胤の易学研究』1250円(Kindle)

《内容》
  平田篤胤の易学占法「年卦八索法」を見直し、解釈しました。

  本書では、平田篤胤が『太昊古易伝』に述べている年卦八索占法を整理し、不備と思われるところを生田萬、新田目道茂等の著書から補い、さらには同法の理論を展開して、より詳細な占断法について考察。
  また別途筮法や思想的な背景についても本文を要約して紹介し、それによって年卦八索法の体系化を試みました。


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《内容》
  江戸時代末期〜明治初期に、国学者によって書かれた書籍を翻刻・編集。
  易の64卦を神話や古典の事象を当てはめて解説しています。
平田易による独自の納甲表も収録。

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3、 『真易中州の易学』
4、 『五段論式必中占法』
5、 『易学速成講義録』(全六巻)

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