135、山地剥(さんちはく)3爻占断

周易64卦384爻占断

周易64卦384爻占断

135、山地剥(さんちはく)3爻

◇ 剝とは何か?

山地剝(さんちはく)は「削がれる」「崩れる」「失われる」という意味を持つ卦です。

山の下に地があり、地が山を下から削り取るような象を示しています。

これは、上に立つ者が下から侵食され、衰退の極みにある時を表しています。

剝の卦は、内側から静かに崩壊していく様子を描き、表面上は穏やかでも、実際には危機が進行していることを警告しています。

この卦を得た時は、積極的な行動ではなく、慎み・防御・静観を重視すべき時です。

◆ 卦全体が教えてくれること

剝の卦が教えているのは、「下の勢いが強く、上を削り取る時には、上に立つ者ほど慎まなければならない」ということです。

勢いに逆らうよりも、あえて動かず、無理を避けることで災を逃れることができます。

全体を通して、今は「守り」「退き」「止まる」ことが最善の時期。

内外の不調和が進む中で、正しい者は孤立しやすくなりますが、孤立こそが清廉の証でもあります。

◆ 三爻の爻辞と解釈

【爻辞】

「之(これ)を剝(はく)す。咎(とが)なし。」

【象伝】

「之(これ)を剝(はく)して咎(とが)なきは、上下(じょうげ)を失(うしな)えばなり。」

解釈:

三爻は上爻と正応の関係にあります。

剝の卦は「五つの陰が一つの陽を削ぎ取る」構造を持ちますが、この第三爻だけは特別な位置にあります。

本来ならば、陰(小人)の側として上の陽(君子)を剝する立場にあるのに、その陰謀に加わらず、心は正応する上爻=君子に向かっているのです。

つまりこの爻は、小人の中にあって小人に染まらぬ者であり、混乱の中で正義を守る姿勢を示しています。

他の陰爻たちが陽を剥ぎ尽くそうとする中、三爻はそれに与せず、「これを剝す」すなわち状況を冷静に見抜き、自ら退いて距離を置く。

そのため「咎なし」とされます。

象伝の「上下を失えばなり」とは、上(君子)にも下(小人)にもつかず、中立を保って孤高の立場を選ぶことを指します。

正義を守るために孤立する姿勢が、最終的には災いを免れる結果となるのです。

◆ 含まれる教え

  • 正義と誠実を守るためには、時に孤立を恐れずに距離を取る勇気が必要。
  • 不正や陰謀に巻き込まれそうな時、あえて「関わらない」ことが最善の判断となる。
  • 多数派の意見に流されず、自らの信念に従うこと。
  • 一時的に孤独を味わっても、後に名誉を保ち、咎を免れる。

◆ 仕事

この時期、あなたは周囲から共同事業や協力を求められるかもしれません。

しかし、その中には不正や無理のある計画が含まれている可能性があります。

どれほど有利な提案に見えても、少しでも疑念があるなら関わらないことが吉です。

初めは「仲間外れになるのでは」と迷うかもしれませんが、いずれその判断が正しかったとわかります。

特に、派手な話・急な儲け話・感情的な誘いには要注意です。

この爻が示すのは、「止まることが安全であり、退くことが正義である」時。

勇気をもって距離を置く決断を下しましょう。

◆ 恋愛

恋愛においては、「多勢の中で一人の人を奪い合う」ような状況を暗示します。

あなたがもし争いに巻き込まれそうなら、潔く身を引くことが吉です。

感情に流されて争えば、かえって名誉を損ね、後に悔いることになります。

また、相手が複数の人と関係を持っている、あるいは気持ちが定まっていない場合も、この卦の象です。

早めに距離を置くことで、あなた自身の品位と徳が守られます。

一時的には寂しさを感じても、後にはより良い縁が得られるでしょう。

◆ 山地剝(三爻)が教えてくれる生き方

この爻が教えてくれるのは、「混乱の中にあっても、正しい道を踏み外さない勇気」です。

周囲が誤った方向に進むとき、同調することは容易ですが、真に正しい者は流れに逆らってでも自らを守ります。

「これを剝す」とは、悪しき流れから自らを剝ぎ離すという意味。

それにより一時的に上下を失っても、やがて咎を免れ、正しき名を保つことができます。

誠実さを貫くことは孤独を伴います。

しかし、その孤独は清廉の証であり、後に陰徳となってあなたを守ります。

人に迎合せず、自らの信念を守り抜くこと――

それこそが、「山地剝(三爻)」の時における、君子の生き方なのです。

 

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