82、火天大有(かてんたいゆう)4爻占断

周易64卦384爻占断

周易64卦384爻占断

82、火天大有(かてんたいゆう)4爻

◇ 火天大有とは何か?
火天大有(かてんたいゆう)は、上卦が離(火)、下卦が乾(天)で成り立つ卦です。乾の強さと離の明るさが組み合わさり、精神的・物質的な豊かさが頂点に達する様子を示します。しかし、この「大いに有つ」という状況は同時に危うさも含み、富や権勢をどう制御するかが大きな課題となります。

◆ 卦全体が教えてくれること
大有の卦は、単なる富や勢いを誇るだけではなく、それを慎みと智慧によって正しく運用せよと教えています。富み栄えるほどに、他人の羨望や妬みを集めやすく、また驕慢に陥る危険があります。そこで重要なのは、自己を律し、慎み深く行動することです。

◆ 四爻の爻辞と解釈

【爻辞】
其(そ)の彭(ほう)たるに匪(あら)ず。咎(とが)なし。

【象伝】
其の彭たるに匪ず、咎なきは、明弁晢(めいべんせき)たるなり。

解釈
「彭」とは盛んに膨れ上がる勢いを意味します。この爻は「彭たるに匪ず」とあり、勢いがあってもそれを外に誇示せず、抑制していることを示しています。

四爻は陽爻で、君位に近い側近の地位にあり、権勢をふるうことも可能な位置ですが、自らを抑え、控えめに振る舞うことで過ちを避けています。象伝に「明弁晢」とあるように、自らの立場をよく弁え、明晰に判断して身を処すことが吉につながると説いています。

◆ 含まれる教え
• 富や権勢を持ちながらも、それを表に出さず、謙虚さを保つこと。
• 出過ぎた行動や驕慢は大きな破れを招く。
• 本分を守り、分相応に振る舞うことが長く繁栄を保つ道。

◆ 仕事
運勢は非常に旺盛で、多くの事が順調に進みやすい時です。しかし、派手に振る舞えば対立や妬みを招きます。現状維持を心がけ、軽率に新しい事業を拡張しない方が良いでしょう。新規の挑戦は、時間をかけて慎重に進めるべきです。

◆ 恋愛
恋愛においては、力や魅力を持ちながらも、それを誇示しすぎないことが肝心です。控えめで誠実な態度が信頼を生み、関係を良好に保ちます。逆に、自分の力を振りかざせば、相手からの反感や不信を招く危険があります。

◆ 火天大有(四爻)が教えてくれる生き方
富や力が盛んであっても、それを誇らず抑えてこそ、災いを免れ、長く栄えることができます。「彭たるに匪ず」――大いに有ってもなお謙虚に、控えめに歩むこと、これが大有四爻の教えです。

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