75、天火同人(てんかどうじん)3爻占断

周易64卦384爻占断

周易64卦384爻占断

75、天火同人(てんかどうじん)3爻

◇ 天火同人とは何か?
天火同人(てんかどうじん)は、上卦が乾(天)、下卦が離(火)で成ります。火は明るく上に昇ろうとし、天は広く大いなるものを包み込みます。ここでは、上昇の性を持つものが同じ方向へ力を合わせ、共に進み、親しむ姿を示します。協力し合い、志を一つにして社会や大義に仕えるとき、吉がもたらされることを教えています。

◆ 卦全体が教えてくれること
同人の卦は「人と心を合わせて生きる」ことの意義を説きます。ただし、それは狭い私情や利害のためではなく、公正な立場に立ち、大義に従って広く人と交わることです。正しい同志を選び、誠をもって交わるならば、困難をも乗り越えて発展の道を開くことができると告げています。

◆ 三爻の爻辞と解釈

【爻辞】
戎(つわもの)を莽(くさむら)に伏(ふ)せ、其(そ)の高陵(こうりょう)に升(のぼ)る。三歳(さんさい)興(おこ)らず。

【象伝】
戎(つわもの)を莽(くさむら)に伏(ふ)するは、敵(てき)剛(ごう)なればなり。三歳(さんさい)興(おこ)らず、安(いずく)んぞ行かん。

解釈
三爻は内卦離の終わりにあり、陽位に陽で剛強の勢いを持ちます。そのため、強い欲望に駆られ、二爻を得ようと激しく動きます。三爻が二爻を得るために、正応の主である五爻と戦おうとして兵を伏せる姿を、「草むらに兵を潜ませ、高台に登って機会をうかがう」と描いています。しかし五爻は剛健中正で徳も正しく、隙がないため、三爻はついに兵を挙げることができず、長く待ち続けるしかありません。これが「三歳興らず」で、不義の計略は決して実行されないことを意味します。

◆ 含まれる教え
• 不正な方法や陰険な計略では成功しない
• 真の同志は大義に基づいて交わるものであり、私利私欲のために奪おうとする交わりは破綻する
• 欲望にかられて動くよりも、正しい道を守り、時機を待つことが大切

◆ 仕事
この時期、正攻法を捨てて裏道や計略に頼ると失敗する兆しがあります。事業や計画において、巨利を狙って無理に進めようとすると、周囲の信頼を失ったり、取引先に拒まれたりして結果が実らないでしょう。正しい筋道を守り、誠実に進めば時間はかかっても必ず報われます。

◆ 恋愛
恋愛では、正しい相手を差し置いて他に心を奪われやすいときです。誘惑や一時の情欲に駆られて不義の関係に踏み込めば、結局は報われず、長く苦しむことになります。正道を外れず、誠実さを守ることが安定につながります。

◆ 天火同人(三爻)が教えてくれる生き方
欲望や計略に走らず、正しい道を守ること。たとえ強く求めるものがあっても、不正な手段では手に入りません。公明正大に誠実な道を歩むことで、時が満ちたときに大きな成果を得られるのです。焦らず、正道を守ることが人生を安定させる鍵となります。

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