74、天火同人(てんかどうじん)2爻占断

周易64卦384爻占断

周易64卦384爻占断

74、天火同人(てんかどうじん)2爻

◇ 天火同人とは何か?
天火同人(てんかどうじん)は、上卦が乾(天)、下卦が離(火)で成ります。火は明るさを持ち、天は広がりを持つ。ここでは、上に上がる性を持つものが力を合わせて同じ方向へ進み、互いに親しむ姿を示しています。公明正大に心を開き、志を同じくする者どうしが協力して進むときに吉が訪れることを教えています。

◆ 卦全体が教えてくれること
同人の卦は「人と協力することの大切さ」を説いています。ただし、それは私的な結びつきではなく、公の場において志を共有し、正しい道に沿って交わることが重要です。閉じられた内輪の和合ではなく、社会全体や広い世界と交わることが真の「同人」です。そこにこそ大きな成功と亨通がもたらされると告げています。

◆ 二爻の爻辞と解釈

【爻辞】
同人・宗(そう)においてす。吝(りん)。

【象伝】
同人。宗(そう)においてするは、吝(りん)道(どう)なり。

解釈
「宗」とは身内、仲間内のこと。二爻は中正を得ていて、本来なら正応の五爻(君位)に従うべき立場です。しかし、その正しい応爻を捨てて身内同士でまとまる姿がここに描かれています。つまり、内にこもり、私情に偏って協力する姿勢です。これが「吝(りん)」で、残念な道だとされます。仲間内だけで固まることは一時の安心をもたらすかもしれませんが、やがて外部との不和や孤立を招きます。象伝はそれを「吝なる道」と戒めています。

◆ 含まれる教え
• 公平さを欠き、内輪で固まると大局を見失う
• 志を共にすべきは「公の場の正しい相手」であり、私的な仲間に依存してはいけない
• 同志を誤って選べば、結局は孤立や失敗を招く

◆ 仕事
この時期、私情や内輪主義が失敗の原因となりやすいです。身内や親しい者を頼りすぎると、公平性を欠き、不満を生むでしょう。むしろ正しく責任ある立場にいる人と協力することが大切です。伝統や専門領域を継ぐ職には適していますが、一般の仕事や事業では協力者選びを誤ると欠損を招きやすいとされます。

◆ 恋愛
恋愛においては、本来の相手(正応)をないがしろにして、趣味や気の合う人に傾きやすい時です。夫婦ならば実家や周囲の人を引き合いに出して相手を怒らせたり、不必要な第三者を交えて関係を乱す可能性があります。見た目の気安さや親しさに惑わされず、誠実に本来の相手を尊重することが大切です。

◆ 天火同人(二爻)が教えてくれる生き方
人と交わるとき、内輪の情に閉じこもるのではなく、公の道を選ぶこと。正しく導いてくれる相手に従い、信念をもって公平に人と交わることが、長期的な繁栄をもたらします。親しみを求めるなら、広く明るく正しい道で交わることを忘れてはならないのです。

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