60、天沢履(てんたくり)上爻占断

周易64卦384爻占断

周易64卦384爻占断

60、天沢履(てんたくり)上爻

◇ 天沢履とは何か?

天沢履(てんたくり)は、上に天(乾)、下に沢(兌)が重なる卦です。履は「踏むこと」を意味し、虎の尾を踏むような危うさの中を、正しい道理と礼をもって進むことの大切さを示します。軽率な行動は凶を招きますが、謙虚に省みて慎み深く行動するならば、危険を乗り越えて吉を得られることを教えます。

◆ 上爻の爻辞と解釈

【爻辞】
履(ふ)むことを視(み)て祥(しょう)を考(かんが)う。其(そ)れ旋(めぐ)れば元吉。

【象伝】
元吉上に在(あ)り、大(おお)いに慶(よろこ)び有(あ)るなり。

解釈
上爻は履卦の終わりに位置し、自らの歩んできた道を省みるべき段階にあります。「履むことを視て祥を考う」とは、これまでの行いを振り返り、正しければそのまま守り、もし誤りがあれば旋(めぐ)り返ってやり直せという戒めです。これまでの諸爻の行動を冷静に観察し、正しいものを選び誤りを避けて進むなら「元吉」、大きな喜びが得られます。象伝の「元吉上に在り」とは、この上爻が結末の位にあり、最終的な収め方次第で吉凶が決まることを示しています。

◆ 含まれる教え
• 過ちに気づいたら素直に改める勇気を持つことが大切
• 自らを省み、他者の歩みを学ぶことで誤りを避けられる
• 終わりの収め方が、その後の安泰や喜びを決める
• 慎重さと謙虚さを失わなければ、最後に吉を得られる

◆ 仕事
仕事では、これまでの成果や失敗を振り返り、改善点を見つける好機です。過去のやり方に固執せず、必要なら路線を修正する柔軟さが成功につながります。他人の失敗や経験から学び、自分の計画に生かすことも大切です。今は急進よりも反省と改善が求められる時で、足を止めて再点検することで、思わぬ安定と成果を得られます。

◆ 恋愛
恋愛においては、過去の言動や関わり方を振り返る時期です。行き違いや誤解があったなら、それをそのままにせず、素直に修正していくことで関係は安定します。相手や周囲の人の経験を参考にするのも吉。自分のやり方に固執せず、相手を尊重して寄り添うことで、これまでの摩擦が解け、思いがけない安らぎや喜びを得られるでしょう。

◆ 天沢履(上爻)が教えてくれる生き方
上爻は「過去を省みて誤りを正すことが、最大の吉を生む」と教えます。人は誰しも誤ちを犯しますが、改めてやり直すことを恐れなければ、むしろ大きな成長と喜びにつながります。人生の節目や終わりの局面でこそ、自らを正しく律し、謙虚に省みること。そうして得られる平安こそが、履卦の最後に示された「元吉」なのです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました