周易64卦384爻占断
42、地水師(ちすいし)上爻
◇ 地水師とは何か?
地水師は、集団や組織の秩序を守り、目的達成のための統率を示す卦です。「師」は軍隊を意味し、戦いに限らず、社会や職場など人が集まる場での秩序と協調を象徴します。強引さや自己中心的な振る舞いは混乱を招くため、指揮系統や役割分担を明確にし、規律を保つことが大切です。
◆ 上爻の爻辞と解釈
爻辞(読み下し)
大君(たいくん)命(めい)あり。國(くに)を開き家(いえ)を承く。小人(しょうじん)・用うるなかれ。
象伝(読み下し)
大君命あるは、もって功を正すなり。小人を用うるなかれ、必ず邦を乱ればなり。
解釈
この位置は戦いの終結を意味します。「大君命あり」とは、主君が功績者に恩賞を与える詔命を下すことです。「國を開き」とは領地を授けること、「家を承く」とは子孫に家を継がせることを指します。ただし「小人を用うるなかれ」とは、功績があっても徳に欠ける者を重用すると必ず国を乱すという戒めです。勝利後は功と徳を併せ持つ者に任せるべきであり、功績だけで評価してはならないという教えです。
◆ 含まれる教え
- 成功の後こそ慢心を戒めるべきである
- 功績よりも人柄や徳を重視することが長期安定の鍵
- 終わりの処理(人事・褒賞・権限付与)が、その後の運命を決める
- 権限の集中や派閥化を防ぐため、公正な分配と評価を行う必要がある
◆ 仕事
この爻を得た時、仕事では大きな成果を上げた直後の段階です。プロジェクト成功や契約獲得などの喜びの中に、次への布石をどう打つかが問われます。特定の人物やチームに権限を集中させすぎると、独走や内部の不満が生まれやすくなります。人事・評価・報酬は功績だけでなく組織全体の調和を考慮し、全員が納得できるよう配慮を重ねることが重要です。今後の安定と発展は、この局面での公平さにかかっています。
◆ 恋愛
恋愛では、関係が安定期を迎えた段階です。これまでの苦労や試練を乗り越えてきた二人ですが、過去の努力や犠牲を片方が強調しすぎると、相手の心が離れる原因となります。お互いに「これまでありがとう」と感謝を言葉にし、これからの目標や生活設計を共有することが大切です。結婚や同棲といった新しいステップに進む際は、生活の役割分担や金銭面のルールを事前に話し合っておくと、安定感が増します。
◆ 地水師(上爻)が教えてくれる生き方
勝利や達成の瞬間は、多くの人にとって気が緩みやすい時期です。しかし、この爻は「その後の処理」が最も重要であることを教えます。功績者への感謝と評価は欠かさず、同時にその人の徳を見極めることが必要です。人生においても、終わり方や区切り方は次の展開を大きく左右します。成功後こそ謙虚さを保ち、公平な判断で人や環境を整える——それが真のリーダーシップであり、長期的な安定をもたらす道です。
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